当事者が40冊以上読んだ中から選ぶ、毒親に関するおすすめの本5冊

その他

幼い頃から、親との関係に悩まされてきました。

「そんなに気にするほどのことじゃない」「私さえ我慢すれば」「でもやっぱり何かがおかしい気がする」そうやってぐるぐると考えては、ずっと出口の見えない迷路に一人で取り残されたように感じていました。

この記事に辿り着いた方も、もしかしたら私と同じようにこういう風にぐるぐると考えて、辛い気持ちを押し込めているかもしれません。

私にとっては20代後半から通い始めたカウンセリングで、プロのカウンセラーと話すことが回復の大きな第一歩になりましたが、同時に、「毒親」というトピックを扱った本の数々も大きな助けになってくれました。

とにかく関連するトピックを扱っているものなら、定番の本からたまたま検索で見つけた本、エッセイから子育ての本まで、本当になんでも、貪るように読みました。

今日の記事では、そんな私が読んだ本の中から、特に読んでよかったと思う、おすすめの本を5冊紹介したいと思います。

経験者として、こういう本を読み始める前の人に伝えたいこと

いい本、いい言葉は、薬になってくれます。一人ではない、同じように感じている人が地球に他にもいる、そしてそれは実際のところかなり大きなコミュニティである、と知ることは、本当に大事なことだと思います。

と同時に、辛い記憶がトラウマになっている場合、本を読むことでそれらの記憶が呼び起こされるのは精神的な負担にもなります。特に個人的な感情が呼び覚まされるエッセイなどは、共感しすぎて辛いこともあるかと思います。

ちょっとでも「辛い」「今は、この本の言葉は自分にはあってないかも」「受け入れられないかも」「考えすぎて眠れない」ということがあれば、本は閉じて、自分に優しくしてあげてほしいなと思います。本は急かしてこないです。いつでもまた開くことができるので、焦らないでほしいなと思います。

また、私はただの一当事者であり、医療のプロではありません。たくさん本を読んだ、カウンセリングを受けた、というだけです。専門的なアドバイスについては、ぜひプロに頼ってほしいなと思います。本を読んで、それを書いたプロに頼る、というのも一手ですし、カウンセリングや心療内科でプロに相談するのも、勇気ある素晴らしい一手だと思います。

おすすめの本と感想

毒になる親

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「毒親」という言葉を生み出した、スーザン・フォワードの定番の一冊。少しでも「うちの親と関わっていると、なんだか苦しい」と思ったことがある人には、かなりグッとくる内容かと思います。

この本で私がいいなと思うのは、きっぱりと「親に責任がある」と言いきっている点。子供は自分を責めてしまいがち、というか、自分を責めるしかないため苦しい思いをしがちだと思うのですが、この本は圧倒的に子供の味方です。辛い時にはそういう本を読むのが大事だと思います。

後述の「母がしんどい」でも著者が読んだ本として紹介されています。まず手に取る最初の一冊としてもおすすめです。

身体はトラウマを記憶する

毒親なのになぜトラウマの本?と思う方もいるかもしれないですが、毒親本のリストであえて2冊目に挙げる価値があるくらい、親との関係で辛い思いをした人にはぜひ読むことを検討してみてほしい本です。個人的にですが、読んで心が楽になりました。アメリカで少しでもトラウマやセラピーに関わる人なら知らない人がいないくらい有名な本で、辛い経験をした人なら誰でも読む価値があると思います。アメリカのAmazonでは7万5000レビュー、星4.8という脅威の評価で、それだけいろんな人の心を癒している本だと思います。

そもそもトラウマは、人間がその時の自分には受け止めきれない出来事に直面した時に受ける傷のようなもので(個人的な理解なので専門的にはその限りではないとは思うのですが、どの本を読んでも似たことが書いてあるので、はずれてはいないはずだと思います)、幼い時や成長過程で辛い思いをした人なら、というか、人間社会を生き延びてきた人なら誰でも、当てはまる経験が少しはあるんじゃないかな、と思います。

そしてトラウマについて大事なのは、治る、ということです。トラウマは治ります。本当に!きちんとケアし、適切な理解のある治療者とめぐり合ったり安全な環境で立て直したりEMDRをしたり、色々と方法はありますが、治療の目処があります。それを知るだけでも、私は心が楽になりました。

幼少期のトラウマについての章もありますし、トラウマ入門の書としても、やわらかい口調で丁寧に書かれたこの本はお勧めしたいです。

母がしんどい & しんどい母から逃げる!

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壮絶な子供時代を生き抜いた著者の田房永子さんが書いた、実体験のエッセイ漫画2冊です。ストーリーがあるので読みやすいですし、絵柄も親しみやすく、描かれている内容も素晴らしいです。

今でこそ毒親関連のエッセイ漫画はたくさんありますが、それらを誕生させる皮切りとなったのはこの一冊だったはずです。それだけのインパクトがある一冊ですが、私がこの本をすごくいいなと思うのは、とにかく作者が読者に寄り添っていること、そして著者の回復過程までが詳しく描かれていることです。

毒親問題について悩んでいる人の多くは、世間から理解を得られないということで、余計に辛い思いをしている人も多いと思います。そういう時にこういう本を読むと、自分一人ではない、自分と同じような経験をしている人がいる、自分の苦しみを明確に言葉にしてくれる人がいる、ということを知るだけで心が安らぐと思います。

また作者がご両親との関係をどう考えて何をして回復に向かっていったのか、という、読んでいる側が最も知りたい部分を詳細に書いてあるのにも、私は救われました。「問題がある」と気づくまでは良くても、気づいた後どうしたらいいのか分からず、前が見えず、暗いトンネルの中にいるようだった時にこの本を読んで、出口がある、そこへこうやってたどり着いた人がいる、と知れただけで良かったです。

文字を受け付けない、読むのが辛い、という時にも、エッセイ漫画はすごくいいですよね。

親といるとなぜか苦しい―「親という呪い」から自由になる方法

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今、アメリカでおそらく「毒になる親」の次に読まれている、毒親本ならこれ、という定番の一冊。

毒親の言動の原因は全て「精神的に未熟」であることからきている、という画期的な発想で、多くの人が「ずっと親のことが謎だったけど、そういうことだったのか…!と腑に落ちた」というレビューをしている一冊です。

精神的に未熟だとどうなるのか、どんな症状や言動になって表れるのか、また子供に与える影響とそこからの回復方法を網羅して書いた本で、構成は「毒になる親」と似ています。

柔らかく、しかしきっぱりとした口調で読者のことを気遣う語り口も、心が安らぎます。この本のおかげで楽になったという人も本当に多く、定番のリストからは外せない一冊です。

まとめ

本当にいろんな本を読んだ中から、今辛いと感じている人にもおそらく助けになるだろうと思う、心の支えになりそうな本を紹介しました。

毒親本を読んだ中で感じたことの一つに、著者による読者のトラウマへの配慮があるかどうかがすごく大事だな、ということがあります。これらの本を読む時、心が刺激されて辛いこともあるかと思いますが、著者の側にそれを配慮する姿勢があるかないかでは、読んでいる時の心の和らぎにかなり開きがあると思います。

読み漁った中では、「今辛いと思っている私には言葉がちょっときつすぎるかも」「これは、今聞きたい言葉じゃないかも」という本もあった中で、これらの本なら、当事者でも、割と安心して読めるのかな、と思います。

そして繰り返しになりますが、本を読んでちょっとでも辛かったらすぐお休みすること、そして可能であればカウンセリングなどプロの力を頼るのも大事かなと思います。

少しでも私の経験が参考になれば、すごく嬉しいです。

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