結論から言うと私は30年あまり生きてきてまだ見つけられていないのですが、あれって、本当に美味しいですよね…
もちろん、人によって好みの差があることは百も承知です。いちご味が嫌い、甘いものが苦手、アイスはカロリーが高い、などなど、アイスクリームを好きになれない理由もよく分かるので、個人の好みを全開にして書くのですが、ハーゲンダッツのストロベリー味が世界で一番美味しい。
まず、アイス部分と、ところどころうめこまれた苺の果実のバランスがちょうどいい。アイスの甘さにうっとりしていると、たまに少し酸味のある苺の果実部分が出てきて、でも噛み締めると甘さが爆発して、その砂糖のインパクトでアイス部分を凌駕する甘さを見せつけてくる。
また冷凍庫から出した瞬間の溶け具合も完璧です。同じハーゲンダッツでもバニラ味は固く、冷凍庫から出して10分ほど経つとちょうどよくなる一方、チョコレート味はやわらかめで出した瞬間もう既にちょっとはじの方が溶けてきています。その点、ストロベリー味は出した瞬間が食べ頃です。カップの底まで少しずつ丁寧に食べていくと、最後の方は少し溶けていて、ああ、溶けちゃう！その前に食べないと！でも急いで食べるのはもったいない！と思いながら最後の一口を口に入れるのも趣があります。
そして何と言ってもその味。ストロベリーフレーバーというのは世に山ほどありますが、このアイスが一番理想に近いです。周知の事実だと思いますが、ストロベリー味のお菓子は、苺の果実の味ではないです。あれは我々の想像の中にしか存在しない苺の味であり、本物の果実の酸味やプチプチ感や水っぽい感じが完全に抜かれた、ファンタジーランドのいちご味です。でもそれがいい。
私は果実の苺も好きですが、正直いちご味のお菓子の方が好きです。苺の果実を食べるなら、ショートケーキに入っている方がいい。もっと言うなら、砂糖漬けにされてハーゲンダッツのストロベリーアイスに入っているのが一番いい。プラトンのイデアの世界にあるストロベリーアイスはおそらくこのハーゲンダッツのアイスに非常に近いのではないかと思っています。
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